The Chronicle of Broadway and me #679(Tokio Convidential/The Berenstain Bears Live! In Family Matters)

2012年2月@ニューヨーク(その6)

 『Tokio Confidential』(2月17日20:00@Atlantic Stage 2)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<タイトルに惹かれて観に行ったが、不思議な空気感が面白かった。

 時は1879年(明治12年)。船員だった亡夫が愛した日本の美を体験するために来日したアメリカ人女性が、刺青に魅せられ、自らの身体に彫る、という話で、亡き夫の面影を心の支えとしながらも、大胆に新たな人生に踏み入っていくヒロイン像が描かれる。
 舞台には畳が敷き詰められ、舞台手前に「コ」の字型に設えられた白木の溝に玉砂利が入れられている。舞台奥には襖を思わせる移動式スクリーン。――と、装置は、宮本亜門演出版『Pacific Overtures』の松井るみデザインのミニチュアお座敷版、といった風情。加えて、陰影を強調した照明とプロジェクションで、巧みに日本画をイメージさせる舞台に仕上げてある。
 その手法には、西欧が日本を描く際にありがちな違和感がなく(靴のまま畳の上を歩くのを別にして)、日本の古い文化に対する研究と敬意が感じられた。
 楽曲にも、どこかしら『Pacific Overtures』を思わせるものがあったが、これは、作曲・作詞のエリック・ショーがソンドハイムに憧憬を抱いているせいか。はたまた、日本を描こうとすると似てくるということなのか。いずれにしても、悪くなかった。

 ところで、彫師の名が“彫よし”というのだが、あの横浜の彫よしの実話に基づいていたりするのだろうか。>

 脚本もエリック・ショー。
 演出ジョアンナ・マッキオン。振付トリシア・ブロンク。装置デイヴィッド・M・バーバー。

 主人公イザベラ役はジル・ペイス(『The Woman In White』『Curtains』)。
 

 『The Berenstain Bears Live! In Family Matters』(2月18日11:00@Marjorie S. Deane Little Theater)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<絵本→アニメーションで人気の熊の世界のミュージカル舞台化。
 完全に子供向けなのはわかって観に行ったのだが、隣のオバサン(つっても年下か?)から「ご家族はどちらに?」と訊かれた。怪しいヤツと見られたか(笑)。

 子供向けミュージカルは、作劇の勘所がわかって面白い。この舞台について言えば、本来のキャラクターの特性に頼りすぎず、きちんと話が組み立てられ、楽屋落ちがないのも潔い。
 ショウ場面も含め、ちゃんとしてるなあ。>

 作曲・作詞マイケル・ボートン。脚本マイケル・ボートン&マイケル・スレイド。
 演出・振付デヴァナンド・ジャンキ。

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