The Chronicle of Broadway and me #108(Don Giovanni/Paul Taylor Dance Company/The Phantom Of The Opera[2]/Crazy For You[10]/Show Boat[3])

1995年10月@ニューヨーク(その7)

 1本ずつ観たオペラとバレエについての当時の感想を以下に。なお、過去に観た『The Phantom Of The Opera』(10月18日14:00@Majestic Theatre)についてはこちら『Crazy For You』(10月16日20:00@Shubert Theatre)についてはこちら『Show Boat』(10月19日20:00@Gershwin Theatre)はこちらの感想を参照してください。

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 『Don Giovanni』(10月17日20:00@New York State Theatre)はニューヨーク・シティ・オペラの定期公演。書いていないが、演出ハロルド・プリンス、振付スーザン・ストロマンだったはず。なので観に行ったと思う。Show Boat』でプリンスがストロマンを起用した理由の1つが、このプリンス演出版『Don Giovanni』(1989年初演)で組んでいたことだった。

<ニューヨーク・シティ・オペラで観たのがモーツァルトの『Don Giovanni』。1984年の映画『Amadeus』(邦題:アマデウス)に、舞台上の主人公が地獄の業火に焼かれるクライマックス・シーンが出てくる、あれだ。
 その映画の中の『Don Giovanni』の初演シーンで印象的なのが、当時の観客が退屈しまくっていて、1人サリエリのみが素晴らしさに恐れおののいていること。今回観て、その反応の理由がよくわかった。
 ストーリーは、別の男と結婚しようとしている女さえ誘惑してしまうドン・ジョヴァンニの奔放で刹那的な女性遍歴を追ったものであり、最後に、それを戒めるべく幽霊(冒頭で誘惑されそうになった娘を救おうとしてジョヴァンニに殺された男)が登場してジョヴァンニを地獄に落とし、めでたしめでたし、というもの。
 が、ジョヴァンニの行動がハチャメチャな上に、最後の戒めも、いかにもとってつけたような感じで、エンディングで残った登場人物が教訓めいたことを歌う(多分そうだと思う)のが、全体のトーンがコメディなだけに、また嘘っぽい。作者の真意は、はっきりジョヴァンニの側にある。
 これでは当時の観客には、かなりブッ飛んで見えただろう。
 個人的には、サリエリのようには芸術的高度さはわからないが、大いに楽しんだ。>

 音楽のことを全く書いていないが、楽曲も込みで退屈しない作品。出演者は誰だったんだろう。調べてわかったら追記します。
 この時に観たことをすっかり忘れていて、後に、また観に行くことになるのだが、その時は演出もストロマンだったかも。その回を書く時に要確認。
 

 『Paul Taylor Dance Company』(10月15日19:30@New York City Center)は、その名の通りポール・テイラー・ダンス・カンパニーの公演。<40年以上の歴史を持つアメリカ生まれのダンス・カンパニー>と、この時点で書いているから、すでに65年にはなるのか。創設者ポール・テイラーは2018年に亡くなっている。

<ダンスを読み解く画期的名著「西麻布ダンス教室」には名前が出てこないが、ポール・テイラー・ダンス・カンパニーは素晴らしく楽しいカンパニーだった。
 この日の演目は「Arden Court」「Funny Papers」「Speaking In Tongues」の3本。
 ユーモラスかつ美しいもの、映画『Invasion of the Body Snatchers』(邦題:ボディ・スナッチャー/恐怖の街)を連想させる恐怖感が裏に張り付いた緊張感漂うもの、など色合いは様々だが、ダンサーの躍動感、振付の新鮮さが魅力的。>

 こちらも音楽のこととか書いといてほしかったな(苦笑)。プログラムが出てきたら追記します。

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