The Chronicle of Broadway and me #435([title of show])

2006年2月@ニューヨーク(その5)

[title of show]』(2月20日20:00@Vineyard Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<男女2人ずつの4人が演じるという典型的なオフ・ブロードウェイ・スタイルの『[title of show]』は、ミュージカルを作る過程を描いたミュージカル。
 それも、話が超具体的で、このところ秋に毎年行なわれているNYMF(ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル)を目指して楽曲作者(志望)と脚本家(志望)が話し合うところから始まって、役者選び、スポンサー探し等々、知っている人ほど笑える“内輪ネタ”満載のバックステージもの。しかも実は、元々2004年の同フェスティヴァル参加作品だったというねじれ方。
 全体に現在のミュージカル業界批評になっているのが肝で、あくまで内輪だが、面白かった。>

 [title of show]というのは「このカッコの中にショウのタイトルが入る」という意味。つまり「タイトル未定」なわけ。なにしろ、1曲目が「Untitled Opening Number」で、他に「An Original Musical」とか「The Tony Award Song」というタイトルの曲があったりする(2年後にまさかのブロードウェイ行きを果たしトニー賞で脚本賞にノミネートされるという、瓢箪から駒な話になるのだが)。

 作曲・作詞ジェフ・ボーウェン、脚本ハンター・ベル。この2人は役者も兼ね、そこに、スーザン・ブラックウェルとハイディ・ブリッケンスタッフ(『The Ballad Of Bonnie And Clyde』)という強力な女優2人が加わる。
 4人が演じるのは、それぞれ自分自身。おそらく、ハンター・ベルの書いた大筋に、4人が自身の体験を交えながら肉付けしていったのではないかと思われる。それゆえの超具体性。ある意味、『A Chorus Line』の変形と言えなくもない。
 この4人組は6年後に再結集。最近日本でも翻訳上演された『Now. Here. This.』をオフで開幕させることになる。

 演出・振付は名ダンサーのマイケル・ベレッセ(『Chicago』『The Light In The Piazza』)。

The Chronicle of Broadway and me #435([title of show])” への11件のフィードバック

コメントを残す