The Chronicle of Broadway and me #448(Sunday In The Park With George)

2006年7月@ロンドン(その4)

 『Sunday In The Park With George』(7月20日19:30@Wyndham’s Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<楽曲スティーヴン・ソンドハイム、脚本ジェイムズ・ラパインによるブロードウェイ・ミュージカルのリヴァイヴァル。
 最近プロジェクションによる映像使いが盛んだが、この作品は、効果の点で画期的。
 例えば、昨年観た『The Woman In White』では、装置を簡素化する代わりに映像で空間的な広がりを持たせようとしていたにすぎない。早い話、装置の代用品だ。ところが、この作品では、第1幕では、主人公ジョルジュ(英語読みジョージ)・スーラが描く絵を見せるのみならず、絶えず変化する絵の構想が、歌やセリフにシンクロして表れたりもする。
 そして第2幕(スーラの孫のジョージが主人公となる現代)では、舞台上がスーラの絵を飾る美術館の内部であることが白いセットに映し出される映像で表現されるのだが、さらに、そこで開かれたパーティの中心人物として招待客たちと会場のあちこちで話をするジョージを、映像上に複数登場させ、客を演じる役者たちと絡ませる。その時、ジョージ役の生身の役者は舞台手前でその様子を見ながら歌っている。
 そうした凝った映像表現が舞台上でけっして過剰だと感じないのは、ある種の“ギミック”として映像を使うことと、かなり観念的で難解なテーマをはらんだ作品の性格とが、うまく噛みあっているからだろう。
 カーテンコールの拍手は、その素晴らしい効果に対して起こったように思えた。>

 『Sunday In The Park With George』を観るのは、これが初めてだった。
 このプロダクションは、主演の2人(ジョルジュ/ジョージ=ダニエル・エヴァンズ、ドット/マリー=ジェナ・ラッセル)と共に2008年初頭にブロードウェイ入り。再見することになる。
 元々は前年に、(近年目覚ましい成果を上げている)メニエール・チョコレート・ファクトリーで上演されたもののようだ。

 演出サム・バントロック。
 プロジェクション・デザインを手がけたのは、ティモシー・バード&ザ・ナイフエッジ・クリエイティヴ・ネットワーク。

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