The Chronicle of Broadway and me #693(February House)

2012年5月~6月@ニューヨーク(その6)

 『February House』(6月 3日20:00@Martinson Hall/Public Theater)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<1940年から1941年にかけてブルックリンに実在した“二月の家”と呼ばれた家に集ったアーティストたちのコミュニティの話。ホンモノのアンティークに見える家具や装飾品が時代の気分を醸し出す。
 キナ臭くなってきたヨーロッパから半ば亡命してきた人たちを受け入れる形で開放された別荘に、様々な才能を持った人々が希望を持って集い、やがて失望して去っていく。その背景にはアメリカ国内の空気の変化もあった。簡単に言うと、そういう話。
 自由な機運が急速に失われていく中で、手を組んで最後の砦を守りたい気持ちと人間関係の軋轢に耐えかねて離れたい気持ちとの間で揺れる、個性的な人々の物語。
 ある意味バック・ステージものと言ってもいい内容で、興味深く観た。集った人の中にジプシー・ローズ・リーがいたことからミュージカル化を発想したのではないか、と素人(私)は考えたりするが、もちろん何の確証もない(笑)。

 脚本セス・ボックリー。作曲・作詞・編曲は自身シンガー・ソングライターとしてアルバムを出してもいるガブリエル・カハネ。演出デイヴィス・マッカラム。

 客席に『Once』の主演女優クリスティン・ミリオッティが仲間と一緒にいた。「あなたの演技を観るためだけに日本からやって来ました」と言いに行こうかと一瞬思ったが、それは控えた(笑)。>

 ガブリエル・カハネは、ノンサッチ自警団(能地祐子氏)によれば、ガブリエル・カヘインという表記が発音に近い模様。「新しい世代のランディ・ニューマンのような存在」(by 能地祐子)です。

 出演者の中に、昨シーズンの『Paradise Square』に出ていたA・J・シヴリー(『La Cage Aux Folles』『Bright Star』)の名前がある。

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