★2013年11月@ニューヨーク(その6)
オフの4作品について、まとめて。
『Towards The Moon』(11月19日19:30@59E59 Theater C)は「フォーク・ロック・ミュージカル」と銘打たれている。
スコットランドの小さな町でくすぶっていた主人公が、体外離脱を体験した後、全てをなげうってニューヨークへと脱出し、作家として成功する。 が、その成功は短く、彼のインスピレーションは早々に尽きてしまう。それを助けようとしてくれたのは、彼が見捨てた友人や家族だった。……という話だったようだが、あまり覚えていない(笑)。
シンプルな編成(ギター、キーボード、パーカッション)のバンド演奏に乗って印象に残る、という楽曲も音源が残されていないようで残念。
作曲・作詞・脚本のアンドリュー(アンディ)・マッグレガーはスコットランドの人。
演出のポール・アンドリュー・ペレズ(インフィニティ・レパートリー・シアター・カンパニー)はバック・バンドでギターも弾いている。振付アビー・バーンバウム。
『A Christmas Carol』(11月20日14:00@Theatre At St. Clement’s)を観たのは、『The 39 Steps』のパトリック・バーロウが脚色していたからだと思う。なにしろ、ミュージカルじゃないので、『The 39 Steps』的な役者“動き”の面白さを期待して観にいったはず。ただし、カーテンコールで1曲だけキャロルがキャスト全員によって歌われる(プログラムに歌詞が挟んであった)。
『The 39 Steps』同様、少人数の役者が次々に様々な人物を演じていくのが楽しい(役が替わらないスクルージ役者以外の出演者は4人)。
もちろん、原作はチャールズ・ディケンズの同名小説。
演出ジョー・カラーコ。
スクルージ役のピーター・ブラッドベリーはブロードウェイの数多くのプレイにクレジットされているが、そのほとんどがアンダースタディというのが、ある意味すごい。
『Lies My Father Told Me』(11月21日14:00@Nagelberg Theatre/Baruch Performing Arts Center)は、1975年の同名カナダ映画の舞台ミュージカル化。その前には1960年の同名映画があり、そちらはダブリンを舞台にしているようだ。いずれもカナダのテッド・アランが脚本を書いていて、1975年版はアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブの最優秀外国映画賞を受賞している。
1920年代のモントリオールのユダヤ人集落を舞台に、社会の近代化の中で変化していく家族や共同体の姿を描いていた。ある意味、時代を新しくした『Fiddler On The Roof』の変奏。
作曲・作詞・編曲イーラン・キニン。脚色・演出ブリナ・ワッサーマン。
ナショナル・イディッシュ・シアター/フォークスビーネの製作。
出演者にはブロードウェイ経験者も複数含まれていた。
『The Landing』(11月21日20:00@Vineyard Theatre)を観るのは、前年6月3日に次いで2度目。少し間を置いての同じ劇場での再演だったわけだが、チケットを獲る時点ではそのことに気づかず、観に行ってから、あ!っと思った次第(笑)。
ジョン・カンダー(作曲)が新たに若いグレッグ・ピアース(作詞・脚本)と組んだ作品。感想は前回分をご覧ください。
“The Chronicle of Broadway and me #755(Towards The Moon/A Christmas Carol/Lies My Father Told Me/The Landing[2])” への1件のフィードバック