The Chronicle of Broadway and me #791(It’s Only A Play/Love Letters)

2014年10月@ニューヨーク(その4)

 『It’s Only A Play』(10月7日19:00@Gerald Schoenfeld Theatre)は、1982年にオフ・オフで、1986年にオフで上演された作品らしい。その名の通り、ストレート・プレイ。

 作者はテレンス・マクナリーで、新作プレイがブロードウェイ初日を迎えた夜の関係者のパーティ、という設定。つまり、新聞の初日評が出るのを待っている状況。ある種のバックステージものだ。
 そうした演劇界の内輪話をどの程度理解できたか、もう覚えていないが、出演者の顔ぶれは楽しんだ。
 なにしろ、ウリは、マシュー・ブロデリックとネイサン・レインという『The Producers』コンビのリユニオン。それぞれ、劇作家、当該作品の出演を断わった人気俳優という役柄で出演。
 他に、F・マーレイ・エイブラハム(『Triumph Of Love』)、ストッカード・チャニング(『Pal Joey』)、メーガン・ムラーリー(『Grease!』『How To Succeed In Business Without Really Trying』『Young Frankenstein』)といった面々が登場。

 演出ジャック・オブライエン。


 『Love Letters』(10月8日19:00@Brooks Atkinson Theatre)はブロードウェイ初演1989年の出演者2人による朗読劇。日本でも、翌1990年以来しばしば上演されているようだ。

 タイトルのごとく、内容は往復書簡。幼馴染だったが別の道を歩んだ男女が1930年代から1980年代にかけて交わした手紙を、舞台上の2人の役者が交互に読んでいく。
 ブロードウェイに到るまでに、まず、作者であるA・R・ガーニー自身が、ホーランド・テイラーと共にニューヨーク公共図書館で披露。次いで、コネティカットのニューヘイヴンでジョアンナ・グリーソンとジョン・ルービンスタインによりワールド・プレミア上演。これが1988年。翌1989年3月に、オフのプロムナード劇場でキャスリーン・ターナーとやはりジョン・ルービンスタインとの組み合わせで上演開始。以降、日曜と月曜の夜公演のみのスケジュールで(つまり、上演中の他の演目の合間を縫って)、出演者を次々に替えながら半年ほど続けて、ブロードウェイに移っている。
 朗読劇ならではの、本読みの後に役者個々の個性を生かしてすぐに上演、というスタイルが、出演者の多彩な顔ぶれによる“スター芝居”のロングランを可能にしたようだ。

 この2014年の期間限定公演(9月13日~12月14日)は、逆に出演者がほぼ固定。ブライアン・デネヒーとミア・ファローでスタートし、約ひと月後にファローがキャロル・バーネットと交代。その約ひと月後に、コンビ自体がアラン・アルダとキャンディス・バーゲンに交代している。
 で、まあ、個人的には生のミア・ファローを観たかった、と。ただそれだけ。特に感想はありません(笑)。

 演出グレゴリー・モッシャー。

 (追記)

 上記の出演者スケジュールはIBDB(インターネット・ブロードウェイ・データベース)を参照して書いたが、プレイビルと一緒にとっておいたチラシを見ると、アラン・アルダとキャンディス・バーゲンの組み合わせは12月5日までとなっていて、その後ステイシー・キース&ダイアナ・リグで翌年1月9日まで、次いでアンジェリカ・ヒューストン&マーティン・シーンで2月15日までの公演が予告されている。
 が、プレイビル・オンラインで調べてもIBDBと同じスケジュールで出てくるので、後の2組による公演はキャンセルになったのだろう。

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