The Chronicle of Broadway and me #285(One Mo’ Time)

2002年3月@ニューヨーク(その3)

 One Mo’ Time(3月24日15:00@Longacre Theatre)は、ピアノ1台をバックにしたソロ・ミュージカル『Jelly Roll!』やブロードウェイの『The Life』に出演していたヴァーネル・バグネリスの作った(脚本・演出・出演)レヴュー。
 初演は1979年。オフのヴィレッジ・ゲイトでだったらしい。その時のオリジナル・キャスト・アルバムはグラミー賞の候補になったとか。
 1981年にはウェスト・エンドで幕を開け、そちらはオリヴィエ賞の候補になっている。
 しかしながら、20年後のブロードウェイでの上演は受け入れられなかったようで、2月21日にプレヴューが始まって、この日が最終公演。1か月ちょっとで幕を下ろすことになった。

 映画『Down By Law』『Pennies From Heaven』でも知られるヴァーネル・バグネリスは、ニューオーリンズ出身のユニークなパフォーマー。
 彼を中心にした5人の役者と、ピアノ、ドラムス/パーカッション、クラリネット、トランペット、チューバという編成のバンドが、1926年のニューオーリンズ、リリック劇場で上演されている黒人向けのミュージカル・レヴューという設定で、往時の楽曲によるショウを展開する。興味深くはあるが、この内容でブロードウェイで当てるのは、パフォーマンスの質が高くても、やはりむずかしいだろう。

 以下、バグネリス以外のキャストと、使われた楽曲一覧。

 キャスト(カッコ内はこのショウ以前に出演したブロードウェイの演目)。
 B・J・クロスビー(『Smokey Joe’s Cafe』『Chicago』)、ロズ・ライアン(『Ain’t Misbehavin’』『Dreamgirls』『Chicago』)、ロザリンド・ブラウン(『Footloose』)、ウォーリー・ダン(『Master Class』)。最後のダンは劇場主役の白人で、歌わず、MC的な立ち位置だったと思う。
 また、トランペットのマーク・ブラウドとチューバのウォルター・ペイトンが1曲ずつ歌う。
 あと、おそらくバグネリスのアンダースタディだと思われるが、ユージン・フレミング(『Black And BLue』『Swinging On A Star』『Street Corner Symphony』『Fosse』)の名前がプレイビルに載っている。

 楽曲一覧。

(第1幕)
Darktown Strutters Ball
Honky Tonky Town
Kiss Me Sweet
Don’t Turn Your Back On Me
Jenny’s Ball
Cake-Walking Babies
I’ve Got What It Takes
See See Rider
He’s In The Jailhouse Now
He’s Funny That Way
Tiger Rag
Kitchen Man
Wait Till You See My Baby Do The Charleston
(第2幕)
Muskrat Ramble
Black Bottom
Louise Louise
Get On Out Of Here (The Party)
Weary Blues (Shake It And Break It)
New Orleans Hop Scop Blues
Hindustan
What It Takes To Bring You Back
Everybody Loves My Baby
Right Key But The Wrong Keyhole
After You’ve Gone
My Man Blues
Papa De Da Da
Muddy Water
A Hot Time In the Old Town Tonight