The Chronicle of Broadway and me #387(Laugh Whore/Slava’s Snowshow/Symphonie Fantastique/Encores! Bash)

2004年11月@ニューヨーク(その7)

 残り4本をまとめて(<>内が観劇当時旧サイトに書いた感想)。
 

 『Laugh Whore』(11月19日20:00@Cort Theatre)。

<リヴァイヴァル『Assassins』でも印象的だった(この人のソロ場面には歌はなかったけど)マリオ・カントーネのワン・パースン・ショウ。
 実はスタンダップ・コミックの人で、しゃべりと同時に物マネも得意らしく、そちらが“ミュージカル系”に通じるわけだ。いや、うまいうまい。ジュディ・ガーランドからジム・モリソンまで、毒づいて、笑わせる。>

 演出は『Assassins』のジョー・マンテロ。

 ブロードウェイでは2年前の初夏に同種のショウをやっていたようだ。
 

 『Slava’s Snowshow』(11月20日16:00@Union Square Theatre)。

<ロシア出身のクラウン(道化師)のパフォーマンス。
 伝統的な芸と、例えばブルー・マン『Tubes』等にも通じる新しい感覚とが絶妙に絡まって、不思議な魅力のショウになっている。半端じゃない客いじりに戦々兢々しながら盛り上がる客席も面白い。>

 作者兼メインのパフォーマーがロシア出身のスラヴァ・ポルニン。
 このオフ公演がニューヨーク初演だったようで、この後、2007年1月までのロングラン。翌2008年暮れにはブロードウェイでオープン、1か月ほど公演している。
 来日公演もあったようなので、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。
 

 『Symphonie Fantastique』(11月20日19:00@Dodger Stages(Theatre 5))。

<横2メートル×縦1.5メートルほどの小さな窓の向こうで展開される水中パフォーマンス。と言っても人間が現れるのではなく、人間の操作する様々な材質・形状の“物”たちが、屈折する水中の光線の中で、美しくも妖しくうごめく。
 公演後に見せてくれたバックステージには窓のサイズの 3倍はある水槽があり、ウェットスーツのパフォーマーたちが肩で息をしながら後片付けをしていた。>

 バジル・トゥウィスト率いるグループのショウ。6人がかりで操作している。
 こうした、ある意味特殊なパフォーマンスを続けているグループが少なからずあり、それぞれに興味深い。バジル・トゥウィストは近年も頻繁に公演を行なっているようだ。機会があれば、ぜひ。
 劇場は2年後に改名される現ニュー・ワールド・ステージズ。
 

 『Encores! Bash』(11月21日19:30@City Center)。

<何人かの楽曲作者を顕彰する“アンコールズ!”特別編。例によって出演者の顔ぶれが楽しい。>

 シティ・センターの名物シリーズ特別編。
 2年前の10周年記念『Encores! Anniversary Bash』は過去に同シリーズで上演された作品からの名場面集という趣向だったが、この時は副題に「Celebrating Five Immortal American Songwriters」とあるように、ハロルド・アーレン、マーク・ブリッツステイン、ドロシー・フィールズ、フレデリック・ロウ、ジューリー・スタインという、「何人かの」ではなく(笑)5人の作者のミュージカル楽曲を歌い継ぐスタイル。
 「楽しい」と書いている出演者の顔ぶれは姓のアルファベット順に次の通り。

 マイケル・アーデン、ケイト・ボールドウィン、ブレント・バレット、ワード・ビレイセン、ヴィクトリア・クラーク、バーナード・ドットソン、クリスティン・エバーソール、ハーヴェイ・ファイアスタイン、デイヴィッド・ギャリソン、マルコム・ゲッツ、サラ・ゲテルフィンガー、デビー・グラヴィット、アン・ハサウェイ、ディック・ラテッサ、ナンシー・レメネイジャー、レベッカ・ルーカー、バーク・モーゼズ、ノア・レイシー、レズリー・アガムズ、トニー・ヤズベク、カレン・ジエンバ。
 ブロードウェイ出演経験のないアン・ハサウェイが異色に思えるが、アンコールズ!の『Carnival』に出たことがあったようだ。ソロで2曲も歌っている。

 演出・振付ロブ・アシュフォード。

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