The Chronicle of Broadway and me #813(Something Rotten!)

2015年4月@ニューヨーク(その4)

 『Something Rotten!』(4月4日14:00@St. James Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<タイトルは『Hamlet』のセリフから。
 というわけで作品に、ウィリアム・シェイクスピアが時代の寵児として登場。
 主人公は、そのライヴァル劇団を率いるプロデューサー兼演出家。弟が(自覚がないが実は天才)戯曲作者。2人してシェイクスピアを出し抜こうとして見出すのが“ミュージカル”というスタイルで……。
 と、かなりパロディ色の強い世界で、感触は『Monty Python’s Spamalot』に近いオフビートなコメディ(演出家が同じくケイシー・ニコロウというこもあるだろう)。
 シェイクスピアの時代を舞台にした裏返しの“ミュージカル讃歌”ともとれるが、大量に取り込んだ過去のミュージカル楽曲(や振付)の扱いに、あまり捻りがない感じで、そのあたりをどう評価するか。ともあれ、笑える作品ではある。

 2人の楽曲作者の内、ウェイン・カークパトリックはエリック・クラプトン「Change The World」の作者の1人として知られるナッシュヴィル拠点のソングライター兼ミュージシャン。カレイ・カークパトリックはその弟で、ディズニーを皮切りに主にアニメーション映画の脚本・監督として活躍している(今作でも、ジョン・オファレルと共同で脚本を手がけている)。
 似た作品として『Monty Python’s Spamalot』を挙げたが、楽曲も似た感触で、オーソドックスなショウ・ナンバーの合間にビートの効いたナンバーが混じったりする(シェイクスピアの登場シーン)。楽しいが、やや上滑りにも思える。そんな中、「Lovely Love」は素直な、いいラヴ・ソング。

 主演のプロデューサー兼演出家役はブライアン・ダーシー・ジェイムズだが、『Peter And The Starcatcher』で傍若無人な活躍を見せたクリスチャン・ボール(シェイクスピア役)はじめ、ブラッド・オスカー、ブルックス・アシュマンスカス、ハイディ・ブリッケンスタッフ、ピーター・バートレット等、曲者役者多数。>

 ウェイン・カークパトリック、カレイ・カークパトリック、ジョン・オファレルの3人は再び組んで、2021/2022シーズンに『Mrs. Doubtfire』を作ることになる。
 上記の出演者の内、ブラッド・オスカーとピーター・バートレットは同作にも顔を出す。

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