The Chronicle of Broadway and me #849(Disaster!)

2016年3月~4月@ニューヨーク(その5)

 『Disaster!』(3月30日20:00@Nederlander Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<”ジュークボックス・スラップスティック・ミュージカル”とでも呼ぶべき作品。
 巨大カジノに改造された船がポセイドン・アドベンチャー状態になる話で、ひたすらバカバカしい。

 楽曲は全て既成のヒット曲。
 とにかく役者だけは揃えました、という印象で、ロジャー・バート、ケリー・バトラー、アダム・パスカル、フェイス・プリンス、レイチェル・ヨーク、マックス・クラムと主役級が並ぶ。脇も、この作品から唯一トニー賞(助演女優賞)にノミネートされたジェニファー・シマードや、ケヴィン・チャンバーリンら、個性派が登場。ブロードウェイ・デビューのラクレッタ・ニコルもすごい声だったし、子役のベイリー・リトレルも悪達者と言いたくなる演技力。
 これだけの役者がいれば、もっと面白い舞台もできたのではないか、と残念に思えてしまう。そんな作品(笑)。>

 2月9日プレヴュー開始、3月8日正式オープン、5月8日クローズ。

 なにげなくポセイドン・アドベンチャーと書いているが、今となっては解説が必要か。
 1972年に公開された映画『The Poseidon Adventure』。’70年代の「ディザスター・フィルム」(日本では「パニック映画」と称された)の代表作。原作は1969年の同名小説で、転覆して真っ逆さまになった大型豪華客船からの脱出劇が描かれる。閉所恐怖症の人にはオススメできない(笑)。

 創案・楽曲脚色・脚本はセス・ルデツキー。近年は演劇系配信番組の司会でもおなじみ。彼は出演もしている。
 共同創案ドリュー・ジェラシ。共同脚本・演出ジャック・プロトニック。
 振付ジョアン・M・ハンター(『On A Clear Day You Can See Forever』『Grease』@N.J.『School Of Rock The Musical』)。