The Chronicle of Broadway and me #325(A Little Night Music[New York City Opera])

2003年3月@ニューヨーク(その2)

 『A Little Night Music』(3月7日20:00@New York State Theater)を初めて観たのが、この時。

 作品について、おおよその予備知識はあったが、それでも、めんどくさい“大人の話”がよくわかったとは言い難い。とはいえ、楽曲のよさは伝わってきた。というのが初回の感想。

 ブロードウェイ初演は1973年(というわけで、このプロダクションは30周年記念のようだ)。『A Little Night Music』というタイトルは、モーツァルトの「Eine kleine Nachtmusik」(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)の英語訳。楽曲は全て、三拍子を基調としている。原作は、イングマール・ベイルマン監督の映画『Sommarnattens leende』(邦題:夏の夜は三たび微笑む)。
 脚本ヒュー・ホイーラー。そして、もちろん、作曲・作詞スティーヴン・ソンドハイム。初演のプロデュースと演出はハロルド・プリンス。
 というあたりが基本データ。

 20世紀になったばかりの頃のスウェーデンを舞台に、ある女優と、その現在の恋人、かつての恋人、それぞれの妻、家族が、いろいろあって、女優の母と娘が住む別荘に集うことになり……という話。
 ソンドハイムの楽曲の中で最も知られている「Send In The Clowns」は、このミュージカルに出てくる。

 このシティ・オペラ版は、演出スコット・エリス、振付スーザン・ストロマンという『Steel Pier』のコンビ。
 女優デジレ役がジュリエット・スティーヴンソン。昔の恋人フレデリック役がジェレミー・アイアンズ。デジレの母役がクレア・ブルーム(チャップリンの『Limelight』のヒロイン)。他に、マーク・クディッシュ、アナ・ケンドリック、クリスティン・ハックスホールド、ダニー・ガーウィン、そして、1月に『Hollywood Arms』で観たばかりのミシェル・ポーク、と、出演者はほぼミュージカル畑から。

 2009年2010年と2度にわたって観ることになるブロードウェイ・リヴァイヴァル版についても、追ってアップします。

 ちなみに上掲のプレイビルの表紙写真は、『A Little Night Music』ではなく、やはりこのシーズンにシティ・オペラで上演されていた『Little Women』のもの。2005年のブロードウェイ版とは別作品のようだ。