The Chronicle of Broadway and me #506(Passing Strange)

2008年4月@ニューヨーク(その4)

 『Passing Strange』(4月2日20:00@Belasco Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<オフのパブリック・シアターからの移行作で、オフ上演時は未見。プレイビル・オンラインではジャンルが「None」となっているので、始まるまではコンサート的な様相なのかとも思っていたが、2幕構成の立派なミュージカル。
 音楽に目覚めたアフリカン・アメリカンの若者が1970年代前半にロスアンジェルス、アムステルダム、ベルリンと彷徨していく話は、楽曲・脚本を手がけたミュージシャン、ステュー(Stew)の自伝らしい。
 そのステューはナレーター役として舞台に登場。ギターを弾きながら歌う。残りのバンド・メンバー4人も舞台上。
 役者は男女3人ずつの6人。即興劇風の自在な語り口が、ブルーズ+ゴスペル+ロックごった煮的音楽と相まって、熱い舞台を作り出す。
 豪華さは皆無だが、一見の価値あり。>

 作曲をステューと共同で手掛けているのはハイディ・ロードウォルド(彼女もバンド・メンバーとして登場している)。
 演出・共同原案アニー・ドーセン、振付キャロル・アーミテイジ(この年の夏セントラル・パークのデラコート劇場に登場し、翌年ブロードウェイに移るリヴァイヴァル版『Hair』が彼女の仕事)。

 役者の1人は前年に『Doris To Darlene, a cautionary valentine』に出ていたディエイドラ・アジーザ。

 スパイク・リーが、このブロードウェイ公演を映像に収録し、『Passing Strange: The Movie』として公開している。