The Chronicle of Broadway and me #477(Seven Brides For Seven Brothers/Oliver Twist/Anne Of Green Gables)

2007年4月@ニューヨーク(その8)

 オフ/ニュージャージーで観た3作の感想をまとめて。

 『Seven Brides For Seven Brothers』(4月12日14:00@Paper Mill Playhouse)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<直前になって予算不足のため開幕が危ぶまれたのが、このニュージャージーでのリヴァイヴァル作品(映画邦題:略奪された七人の花嫁)。
 元が、空間的な広がりを生かした映画ミュージカルを舞台に持ち込んで失敗したブロードウェイ作品なだけに、展開がせわしなく、スケールが小さく見えるのは否めない。売り物のダンス・ナンバーも、ややアイディア不足か。
 でも、上演できてホントによかった。>

 舞台化の際に、映画版の楽曲(作曲ジーン・デ・ポール、作詞ジョニー・マーサー)に、アル・カシャ&ジョエル・ハーシュホーンによる新曲が加えられている(トニー賞ノミネーション)。脚本は、やはり舞台化の際に、映画版(アルバート・ハケット&フランシス・グッドリッチ&ドロシー・キングズリー)を元に、ローレンス・カシャ&デイヴィッド・ランデイが書き下ろし。ブロードウェイ版は1982年6月25日プレヴュー開始、7月8日正式オープン、同年7月11日クローズと超短命。
 このリヴァイヴァル版の演出はスコット・シュウォーツ(『Bat Boy: The Musical』)、振付はパティ・コロンボ(『Peter Pan』)。
 

 『Oliver Twist』(4月14日20:00@Gerald W. Lynch Theater)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<タイムアウト誌を見てミュージカルだと知った舞台。
 と言っても、歌は、もっぱらア・カペラのコーラスで、時々、役者がヴァイオリン、変形テューバ、古い時代の手風琴(?)を演奏する。なので、印象は“音楽劇”。
 それも含めて、串田和美演出の自由劇場の舞台に近いものがある。個人的には好きだが、好みの分かれるところではあるだろう。
 もちろん、ライオネル・バートの『Oliver!』とは別物。>

 ディケンズの原作を演出のニール・バートレットが脚色した、ということのようだ。作曲はジェラルド・マックバーニー、補作曲・音楽監督サイモン・ディーコン。
 オリヴァー役は後に『Tuck Everlasting』『Charlie And The Chocolate Factory』で活躍することになるマイケル・ヴァルテッラ、フェイギン役ネッド・アイゼンバーグ(『The Green Bird』)、ビル・サイクス役グレゴリー・デレリアン、ナンシー役ジェニファー・イケダ。
 

 『Anne Of Green Gables』(4月15日13:00@Lucille Lortel Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ルシール・ローテル劇場ならではの、子供と一緒に観られる1幕もの。
 なので、ストーリーは超ダイジェストだが、要所はきちんと押さえてあり、セットも過不足なく、最終的には充分に満足感がある。もちろん役者もうまい。
 少人数でのミュージカル上演のお手本のような舞台。>

 来日公演や翻訳上演も行なわれているカナダ産の同名舞台(邦題:赤毛のアン)とは別ヴァージョン。作曲ナンシー・フォードと作詞・脚本グレッチェン・クライヤーは、『I’m Getting My Act Together And Taking It on the Road』(邦題:旅立て女たち)で知られるコンビ。演出タイラー・マーチャント。
 アン役パイパー・グッドイヴ。マシュー役エリック・デヴァイン(『Seussical』)。マリラ役ベス・B・オースティン(『Whoopee!』)。