The Chronicle of Broadway and me #686(Damn Yankees[N.J.]/Pipe Dream)

2012年3月~4月@ニューヨーク(その7)

 『Damn Yankees』(3月29日13:30@Paper Mill Playhouse)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ニュージャージーのペイパーミル・プレイハウスで観たのが『Damn Yankees』

 ブロードウェイ級の役者を複数配した、かなりオーソドックスな演出(マーク・S・ホービー)の手堅いリヴァイヴァルだったが、肝心のローラを演じたクリッシー・ホワイトヘッドが個人的にイマイチしっくり来ず、ノリきれなかった。
 もっとも、1994年5月に観たブロードウェイ・リヴァイヴァル版のビビ・ニューワースのローラにもピンと来なかったヤツなので、もしかしたら、ローラにグウェン・ヴァードンの影を追い求めすぎているのかもしれない。

 ちなみにアップルゲイト役は、ブロードウェイ版ファントム役者として知られるハワード・マッギリン。まあ、個人的には、いつまで経ってもパティ・ルポン版『Anything Goes』のビリーなのだが。>

 演出マーク・S・ホービー。振付デニス・ジョーンズ。

 ローラ役クリッシー・ホワイトヘッドは2006年ブロードウェイ・リヴァイヴァル『A Chorus Line』でクリスティンを演じた人。
 

 『Pipe Dream』(4月1日20:00@City Center)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<シティ・センターのリヴァイヴァル・シリーズ“アンコールズ!”の『Pipe Dream』。ロジャーズ&ハマースタイン作品だが、このシリーズに登場したのは必ずしも成功作ではなかったってことか。

 主人公が海洋生物学者ってあたりが変わっているが、他のこのコンビの作品に比べると、さほど劇的ではないラヴ・ストーリーで、それが当時の観客には(ロジャーズ&ハマースタインにしては)“軽い”ってことでウケなかったのかも。逆に、ロジャーズ=ハマースタイン作品をこんな風に捉える身にとっては、悪くはない。が、うつらうつらしたのも事実(笑)。

 出演は、ウィル・チェイス、ローラ・オズネス(短命に終わった『Bonnie & Clyde』のボニー役)、レズリー・アガムズ、トム・ウォパット他。
 チェイスの歌に合わせて、彼の分身として踊るチャーリー・サットンが印象的だった。>

 ブロードウェイ初演は1955年11月30日オープンで翌1956年6月30日クローズ。

 脚本オスカー・ハマースタイン二世。原作はジョン・スタインベックの小説「Cannery Row」とその続編「Sweet Thursday」。続編はミュージカル化のために書かれたらしい。
 演出マーク・ブルーニ(『Ordinary Days』)。振付ケリ・バークレイ(『Hurricane』)。