The Chronicle of Broadway and me #896(Curvy Widow)

2017年7月~8月@ニューヨーク(その4)

 『Curvy Widow』(7月29日14:00@Westside Theatre(Upstairs))は、ナンシー・オペル主演による、お金持ちの未亡人が主人公のラヴ・コメディ・ミュージカル(なんじゃ、そりゃ?)。

 ナンシー・オペルの出演作を並べると、個人的に観ているだけでも、1997年の『Triumph Of Love』に始まって、『Urinetown』『Fiddler On The Roof』『Gypsy』『The Toxic Avenger』『Honeymoon In Vegas』、そして、つい先日までやっていた『Into The Woods』と数多い。個性的な演技者の多いアメリカン・ミュージカルの世界にあっても一際強い印象を残す役者で、中でも『Urinetown』の母親役と『The Toxic Avenger』の早替わり二役は強烈。
 かなりエグい、けれども人情味もある、という唯一無二のキャラクターを存在感たっぷりに演じさせると最高に輝く。

 そんなオペルがここで演じるのは、マンハッタンのアップタウンにある高級アパートメントに住む50代の女性で、夫の突然の死によって受け取った遺産で残りの人生を恋に費やしようと決意する。で、ダウンタウンに引越して、仲間たちと、ああでもないこうでもないと言いながら始まる、恋人探しの日々。
 どうやら脚本を書いたボビー・ゴールドマンの実体験に基づいた話らしい(彼女の亡夫はミュージカル好きには『Follies』の脚本家として知られるジェイムズ・ゴールドマン)。そこそこ経済的に恵まれていて、でも老年に差しかかろうかという都市生活者の恋愛模様を、TVのシットコム風に描いた、といったところ。音楽もオーソドックス。
 ウェストサイド劇場の客層には合っていたようで、11月まで続いている。
 個人的には、ナンシー・オペルの使い方としてはもったいないのだが(笑)、まあ気楽に観た。

 作曲・作詞ドリュー・ブロディ。
 演出ピーター・フリン。振付マーコス・サンタナ。

 アイシャ・デ・ハース(『Caroline, Or Change』)、ケン・ランド(『Victor/Victoria』『Promises, Promises』)、エリザベス・ワード・ランド(『The Scarlet Pimpernel』『Scandalous: The Life And Trials Of Aimee Semple McPherson』『Aamzing Grace』)、アラン・ムラオカ(『My Favorite Year』『The King And I』『Pacific Overtures』)といった面々も出ていた。

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