The Chronicle of Broadway and me #418(Dr. Sex)

2005年9月@ニューヨーク(その5)

Dr. Sex』(9月24日14:00@Peter Norton Space)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<セックスにまつわるスケッチ集かと思いきや、最近映画化もされたキンジー(キンゼイ)博士の伝記ミュージカルだった。
 アメリカのピューリタン的タブーに果敢に挑戦して性生活の実態を丹念にリポートした博士の苦闘の半生を、やや古めかしいスタイルのソング&ダンスで軽快に描いた成果は賞賛に値するが、その古めかしいスタイルにひねりがないのでホントに古めかしく感じるのが難点。
 と思っていたら、クローズが決まった。>

 8月26日プレヴュー開始、9月20日正式オープン、10月30日までの予定が短縮されて10月9日に閉まっている。

 映画化と言っているのは『Kinsey』(邦題:愛についてのキンゼイ・レポート)のこと。2004年のアメリカ映画で、日本公開は2005年の8月。そろそろ「キンジー・リポート」という表記に改めてもいい気がする。
 映画の監督はミュージカル・ファンにもおなじみのビル・コンドン。1作前が『Chicago』の脚本、1作後が『Dreamgirls』の監督・脚本。その後、『Beauty And The Beast』実写版の監督・脚本、『The Greatest Showman』の脚本、と話題のミュージカル映画を手がけている。ただし、この映画はミュージカルではない。

 上掲の右側の写真に写っている3人の左端が、キンジー役ブライアン・ヌーナン。オリジナル・キャストではないが、これ以前にブロードウェイで『Les Miserables』『The Phantom Of The Opera』『Jesus Chirist Superstar』に出ている。そういうタイプの人。
 3人の真ん中がジェニファー・シマード。佇まいからして印象に残るコメディエンヌ(という表現も使われなくなるのか?)で、この頃はオフで頻繁に出会ったが(『I Love You, You Are Perfect, Now Change』『The Thing About Men』『Forbidden Broadway: Special Victims Unit』)、この後、ブロードウェイで活躍するようになる。直近では、暮れに再開予定のリヴァイヴァル版『Company』に出演。
 右端のクリストファー・コーツは地方公演での活動が多かった人のようだ。
 その他に6人が出演。オフらしく、それぞれ複数の役を演じている。

 作曲・作詞・共同脚本ラリー・ボートナイカー、脚本サリー・ディアリング。
 不思議なことに、この作品には演出のクレジットがなく、代わりにプロダクション・スーパーヴァイザーとしてグレッグ・ハーシュの名前がある。