The Chronicle of Broadway and me #463(A Wonderful Life/Forbidden Broadway: Special Victims Unit[2])

2006年11月@ニューヨーク(その8)

 この渡米での残り2作をまとめて。

 『A Wonderful Life』(11月24日14:00@Paper Mill Playhouse)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ニュージャージーのペイパーミル・プレイハウスで観た『A Wonderful Life』(邦題:素晴らしき哉、人生!)は、アメリカではクリスマス・シーズンには風物詩的に必ずTVでオンエアされるという同名映画(映画の方の原題には頭に「It’s」と付くが)の舞台ミュージカル版。
 楽曲も演出もオーソドックスで手堅く、そこそこ楽しませてくれるが、映画版の“あの”ロマンティックな雰囲気は残念ながら再現できていない。>

 作曲のジョー・ラポソはTV番組「セサミ・ストリート」の作曲・音楽監督で知られる人。作詞・脚本のシェルドン・ハーニックは、作曲家ジェリー・ボックと組んだ『Fiorello!』『She Loves Me』『Fiddler On The Roof』の作詞家として有名。演出のジェイムズ・ブレナンはダンサーとしてノスタルジックな作品でブロードウェイでも活躍した人で(『Me And My Girl』『Crazy For You』)、演出家としても、ここペイパー・ミル・プレイハウスの『She Loves Me』やヨーク劇場の『Fanny Hill』など、やはり古風な趣の作品を手がけている。
 というわけで、「オーソドックスで手堅く」なるのは必然。
 振付は、翌年『The Apple Tree』で振付家としてのブロードウェイ・デビューを飾ることになるアンディ・ブランケンビューラー。あの『In The Heights』『Hamilton』の。
 主演はジェイムズ・クロウ。

 [追記]
 英語版ウィキペディアによれば、初演は1986年にミシガン大学。初の営利上演は1988年、インディアナのワゴン・ホイール・プレイハウス。ここペイパー・ミル・プレイハウスでは1990年にリーディング上演が行なわれたことがあるらしい。ブロードウェイでの上演は、この前年(2005年)のシューバート劇場での1回きりのベネフィット公演のみ。
 

Forbidden Broadway: Special Victims Unit』(11月26日13:00@47th Street Theater)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<チケットを持っていた公演がキャンセルになった『Mimi Le Duck』の代案として観たのが、これ。同ヴァージョンを観るのは2度目だが、前回から1年半以上経っているので、もちろん各所にマイナーチェンジが施されていて、大いに笑った。
 しかし、ホントにブロードウェイ全体が弱ってくると、この作品もつらくなるだろう、と妙な心配もした。>

 前回と出演者が入れ替わっているので書き留めておきます。
 ジャレッド・ブラッドショウ(『Dr. Sex』)、ジーン・モンターノ、そして、このシリーズではおなじみの、ある意味スターである、ドナ・イングリッシュ(『Ruthless!』『Taking A Chance On Love』『Forbidden Broadway: 20th Anniversary Celebration』『Harold & Maude』)とマイケル・ウェスト(『When Pigs Fly』『Forbidden Broadway: 20th Anniversary Celebration』)。