The Chronicle of Broadway and me #647(Silence! The Musical)

2011年6月~7月@ニューヨーク(その6)

 『Silence! The Musical』(7月2日22:30@Theatre 80)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<とても小さな劇場で、学芸会レヴェルの手作り感いっぱいな装置を使って繰り広げられる、映画『The Silence Of The Lambs』(羊たちの沈黙)のパロディ・ミュージカル。
 驚くのは、そんな小規模な舞台に出ているのが、ブレント・バレット、ディードリ・グッドウィンといったブロードウェイ版『Chicago』に主役級で出る2人をはじめ、実力も経歴もちゃんとした役者たちなこと。
 調べてみると、この作品、元々は、2002年に映画『羊たちの沈黙』のミュージカル版として作曲・作詞のジョン&アルのカプラン兄弟が書いた楽曲がネットを通じて話題になり、カルト的な人気を得た、というところから始まっているらしい。
 その後、兄弟は、そこに数曲を加えたミュージカル映画版の脚本を書き、それを元にハンター・ベルが舞台版脚本に仕上げ、2005年のニューヨーク・フリンジ・フェスティヴァルで上演して評価され、昨年(2010年)はロンドンで本格上演。今回の上演は、そのニューヨーク帰還公演、ということのようだ。
 そんなわけで、観光客は知らないがニューヨークの演劇好きには大きな話題、という公演になっていて……。知られた役者たちがこぞって出演していることの背景には、そうした事情があるようだ。
 正直、個人的には、その(チープな舞台で有名俳優が嬉々として悪ふざけ的演技をする)ギャップに対する驚き以上の感銘を受けなかったのだが、その理由は、おそらく言語能力のギャップに起因すると思われる(笑)。>

 ちなみに、パロディとしては「非公認」とのこと。

 演出・振付クリストファー・ガッテリ(『The Baker’s Wife』『Altar Boyz』『Bat Boy: The Musical『I Love You Because』『Martin Short: Fame Becomes Me』『High Fidelity』『Sunday In The Park With George』『South Pacific』『13』『Women On The Verge Of A Nervous Breakdown』の振付)。

 上記のブレント・バレットがレクター博士。ディードリ・グッドウィンはクラリス・スターリングのルームメイトであるアーデリア・マップ役。クラリス役はジェン・ハリス。