The Chronicle of Broadway and me #766(Transport/Til Divorce Do Us Part/Chicago[20])

2014年2月~3月@ニューヨーク(その8)

 『Transport』(3月1日15:00@Irish Repertory Theatre)のストーリーは、19世紀半ば、ジャガイモ飢饉の起こる直前にコーク(アイルランドでダブリンに次いで大きな都市)からオーストラリアに渡った女性たちの話。脚本を書いたのは、映画化『Schindler’s List』(シンドラーのリスト)の原作『Schindler’s Ark』の作者トーマス・キニーリー。彼の妻の祖母自身の回想を元にしているという。
 当時のオーストラリアは流刑地。したがって、船に乗っているのは囚人や追放される宗教者、そして船乗り。そこに含まれる女性囚人たちの、困難な航海中のヴァイタリティに満ちた姿が描かれる。

 作曲・作詞のラリー・カーワンは2022年の『Paradise Square』に原案でクレジットされているが、アイルランド出身のロック・ミュージシャンで、ニューヨークを拠点に単独でもブラック47というバンドでも活動している。そうした背景を生かして、ケルティックな響きの躍動的な楽曲を書いた。
 演出は装置デザインで知られるトニー・ウォルトン。振付バリー・マクナーブ。
 

 『Til Divorce Do Us Part』(3月2日18:00@DR2 Theatre)は、離婚を決意するまでの女性の心理をレヴュー形式でコミカルに描いてみせる作品。原案のルース・ポントゥロの実体験を元にしているらしい。当時のネット記事によれば、彼女の(元)夫は舞台関係のプロデューサーだったとか。
 ピアノ1台を伴奏に3人の女性キャストが歌い踊る、オフらしい小規模なショウ。男性キャストも1人いる。

 出演者の内、中心になるエリン・マグアイアは基本スタンダップ・コミックの人のようだ。

 作曲ジョン・トーマス・フィッシャー、作詞・振付もルース・ポントゥロ。
 演出マーク・ウォルドロップ。
 

 『Chicago』(3月2日14:30@Ambassador Theatre)を観たのは、ビビ・ニューワースがママ・モートン役で戻ってきたから。主要キャストの内3役(ヴェルマ→ロキシー→モートン)を演じたのは(しかもブロードウェイで)彼女だけだろう。
 その他の主要キャストは次の通り。

 アン・ホラック(ロキシー)、アムラ=フェイ・ライト(ヴェルマ)、ブレント・バレット(ビリー・フリン)、クリストファー・フィッツジェラルド(エイモス)。

 過去のブロードウェイ・リヴァイヴァル版『Chicago』の感想は次の通り(初回はシティー・センター)。
 5/4/1996, 1/9/1997, 6/12/1997, 12/11/1997, 3/21/1998, 6/13/1998, 10/3/1998, 1/6/1999, 5/8/1999, 2/10/2001, 11/12/2001, 9/22/2002, 7/31/2003, 2/9/2007, 6/8/2008, 12/31/2009, 1/16/2011, 11/24/2011, 11/22/2012


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