私の連載「ブロードウェイまで12時間と45分」が載っている音楽誌「ERIS」第40号が配信になりました。メールアドレスの登録により無料で読むことができます。
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連載の今号のタイトルは「ロジャーズ&ハマースタインにアメリカーナの響きを聴く」。
第二次世界大戦の最中、シアター・ギルドから依頼された(やがて)『Oklahoma!』(として結実する仕事)に携わることをロレンツ・ハートが断わったことでリチャード・ロジャーズはオスカー・ハマースタイン二世と組むことになるわけですが、その旧コンビの解消→新コンビ結成という事態を、「その時ミュージカルの歴史が変わった」と大袈裟に言ってみたら、なんだかウケそうなので少しばかり掘り起こしてみた。そんな風な内容です(笑)。
きっかけは、衝撃的だった2019年ブロードウェイ版『Oklahoma!』。舞台版のロジャーズ&ハマースタイン作品を初めて観たのは1993年10月のロンドン。ナショナル・シアター制作による『Carousel』だったのですが、以来、長い間このコンビの作品は立派過ぎる気がしてイマイチ親しめないでいた。ところが、その2019年版『Oklahoma!』がこれまでにない編成で発現していた音楽の「アメリカーナ」な響きに刺激を受け、改めて、この世界一有名なミュージカル楽曲作者チームの成り立ちと彼らが目指したところを探ってみたところ、いろいろと面白いことが見つかったという……。
ま、ある種の歴史ミステリーだと思って気楽に読んでいただければ幸いかと。いささか強引な謎解きではありますが(笑)。
私以外の記事は次の通りです。
巻頭は「日本語ロックの礎となった『はっぴいえんど』の1stアルバムやURCレコードの始まりを小倉エージが初めて語る」。聞き手はニュー・ミュージック・マガジン誌時代の盟友、北中正和、構成は萩原健太編集長。
連載陣は、亀渕昭信/エヴァリー兄弟とキャラバン・ショー、ピーター・バラカン/音楽映画祭とスティーヴ・マクウィーン監督、天辰保文/ポール・シーベルの素敵なカヴァー、北中正和/マリ内戦と「マリ・コ」、能地祐子/2023年コンサートのベスト3、高田漣/1950年代終わりエルヴィス不在期、鷲巣功/中村とうようのオーディブック、岡本郁生/ラテン音楽界を席巻するトニー・スッカル。幅広いジャンルの力作満載です。